息子と娘
娘は部活をやめてなかなか楽しそうに学校に通うものの、朝は割とダラダラする。
課題も言われないとやらない。
まぁそんなもんだね。
とことん小学生の頃から宿題が嫌いだったので、唯一それが陰を落とす要因かな。
やれば早いし、勉強がわかってないわけではない。
単純にやるのがいやらしい。
ほっとけば一番楽なのだけども、そうもいかない。
学校から電話が来て、相手をするのは私。
頼むから電話は控えていただきたいが、すごく目をかけてくれているのも分かるので、無下にもできない。
むしろ気を使う。
すみません、お気遣いありがとうございます、お世話になります、お手数おかけしました。
勿論先生もそこまで言わなくても、仕事ですから!と言った感じなんだろうなとも思うけど、やはり立場が弱くなるこちら側からは気を使う。
立場が上になれる父兄にもなってみたい。
本当はどちらも上も下もないんだろうけれどね…。
さてそこでダラダラする娘に課題をさせるのも割と難しい。
出されたものしておきなさい、困るのは自分でしょう?などと、普通のセリフを吐きながら、え、じゃあ息子にも言えよ。と考える。
なかなか難しい。
そしてそもそも神経の細い娘は、今日も玄関で「あー、お腹痛い…」と座り込む。
早く行けとも休みなさいとも言わない。
ある程度すると、痛いと言いながら行ってきまーす。となる。
息子のように無理をしているのか、疲れているのか、よくわからないけれど、学校はめちゃくちゃ楽しいと言い切る彼女を信じるしかない。
たまに休むくらい、いいとは思うけど、その始まり方もよくわからない。
不登校の入り口だったら?最初にその理由で休ませる時、なんと教師に説明する?理解のある学校だからこそ、息子のようにホウホウと蝶よ花よのように言われる?有難いけれど気を使うのか?
色んなリアルを考えると、それは結構面倒くさい。
取り敢えずは彼女は行っている。
今はそれでいいか。
息子はこっちに引っ越してからますます朝が弱くなった。
やはりストレスを感じているのだろうか。夜も眠れないらしい。本人もかなり気にしていた。
寝たいだけ寝てみれば?と言うものの、昼過ぎに眼が覚めると、とても虚しいじゃない。もう一日が終わるじゃない。と言っていたので、なるほど。
一日一日を生きる子供にこそ、そう言う感覚が根底にあるのかもね。
じゃあ、睡眠導入剤買ってみようか。
薬局にあるような、弱いヤツ。
あと、ロードバイクでなるべく毎日太陽の塔まで行って帰ってくるとか。
息子ものってきた。
それは楽しそうだ。と。
でも最終的に言われた。
「あのね、今みんなで一つの部屋で寝てんじゃん?まぁまだ荷物もごちゃっとあるから。子供部屋と言う子供部屋が固定されてないから仕方ないんだけどさ、あれ、俺寝れないのよ。真っ暗にして一人でシンとした部屋じゃないと寝付けないのよ。」
…………。
早く言ってよ!
でもさ、みんなで寝たら楽しいし、新しい土地でストレス軽減されるかなーって。寂しくないでしょう?
「あ、うーん、それは分かるけど、寝る時は一人でいいや。てかさ、30年以上高知で生きてきた大人ほど、子供は大して新たな土地のストレスって無いよ?俺にとったら高知の知らない土地も大阪のここら辺も変わらないし、むしろ今じゃ大阪のここら辺の方が馴染みがあるんだけど…。」
子離れ出来てなかったのは私ね。そうね、私だった。
高知の時に、それぞれ一人部屋だったのだけど、旅行でみんなと寝る時、娘がすごく喜んでたから、当然嬉しいものだと思ってた。なのに、娘にまで「あぁ、そろそろ一人部屋で寝たいな!」と言われてしまった。
そっか。たまにだから喜んでいただけかよ。
まぁそらそうだな。もういい年だもんな。
という事で今日は面倒臭くて仕方がないけど、子供部屋片付けて、薬局行ってと予定が出来た。
少し、息子が起きなくなった事に落ち込んでいたけれど、こうかもしれないという道が見えただけで、私は心が軽くなる、単純な母親だ。
正解か不正解かは分からないけど、目的が見えると動けるもの。
そんな会話をした、翌朝の今朝、息子は6時半に起きて、部屋で音楽を聴いていた。
眠れなくて今の状態?起きて今の状態?
起きて今の状態だよ。
旦那が「なるほど、今夜から一人で寝れるから安心して眼が覚めたんだよ」とふざけて言っていた。
子離れせんといかんねぇお父さん。と言ったら、ホントだねぇと笑っていた。
ふむ。子育ては付かず離れずが一番難しいな。