日記

なんとなく

やっぱり重い

こないだ言っていた、近所の子供が亡くなったかもしれない話し。

聞けば聞くほどただの噂じゃなくなるのが重い。

 

誰も本当の事は聞けないし知らないけれど、葬儀屋の車が止まっていた事や、救急車が夜中に来た事、何より、まだ治療中の何かが原因ならまだしも、自分から死ぬような感じが『あの子ならおかしくは無い』と同級生と、別の父兄から聞いてしまった事。

 

悲しい。

話した事も無い子だけれど悲しい。

今際の際を思うと切ない。

 

側から見ると、田舎ではとても目立つお金持ちのエリート一家だった。

旦那さんは単身赴任でお医者さんをしていて、旦那さんの両親と、お母さんと子供が暮らしていたそう。

上のお兄さんとお姉さんは医大を卒業して今県外で医者をしている。

末っ子のその子は高校一年生だった。

お姉さんはその道から抜け出そうとはしたらしいけど、子供からすると親や祖父母の影響って大きいよね。

 

志望の中学に落ち、一つ下の中学に行ったが、不登校になり、高校は定時制に入学。

その矢先のことだった。

 

お母さんだけは味方だったらしいけど、それだけじゃな…。色々あるよな。

 

特に旦那さんの両親がなかなかキツかったらしい。

あの孫はダメだと近所にうそぶいていたくらい。

嫁さんと子供は、どんな気持ちだったろう。

庇ってくれるお母さんの姿を見る子供は、どれだけ辛かったろう。

自分を、どれだけ否定して生きていたんだろう。

 

隣近所の人がせめて線香だけでもと言ったら、姑から断られたそうな。

『出来は悪かったけど、あの子が一番素直だったのよー。可愛かったわぁ』と、亡くなって一週間もしないうちに淡々とそう言っていたそうな。

 

 

話の中で、なんで自分から死ぬのかな。死ぬの怖いと思わないのかな。と非常に自然な会話が出てきたけど、そうなんだよ、あの年頃は、息を吐く事と同じくらい死ねちゃうんだよ。

 

だから怖いんだよ。

だから私は息子がいつ静かに死ぬか一番怖かったんだよ。

 

怖いとか、何かをしたいから死ねないとか、それはまだ生き物としての欲望が残ってるから思えるんだよ。

何も考えられないから、死ねるんだよ。

 

最後は何を思って、幕を閉じたのかな。

 

それから、お母さんの姿を誰も見ていない。