日記

なんとなく

今日からよ

朝は6時に起きて、最後の荷物をチェックする。

9日に引越し業者が来てくれるので、義父に立ち会いを頼んだ。

荷物は10日届くので、今日の7日から10日まではホテル住まい。

とても楽しみだ。

上げ膳据え膳の外食オンリーなんて、後にも先にもない贅沢だ。

 

出発前は普段と変わらない、コーヒーを飲んでテレビを見て、テレビにいちゃもんつけて。

京都が近いからあんたの家に泊めてもらわないと。部屋開けといてよ。と母が言う。

父は寂しそうに、普段口が悪い分こう言う時は拗ねたように無口になる。いつものことよ。

 

近いし、いつでも帰ってらっしゃい、しんどくなったら帰ってらっしゃいと笑って言う母とは、態度が正反対ね。

 

さて朝の8時。8時までには出発したかったので、ぼちぼち出ようとしたら、外にママ友一家と、ご近所さんと、お祖母ちゃんと、義姉と甥が待っててくれた。

元気でな。と一言父が絞り出した。

うん!とだけ言った。

 

どうしても恥ずかしかったので、私はあっさり挨拶をして、笑顔で出発。

お父さんも体気を付けて!とか、ちょくちょく帰るからね!とか、素直な発言出来ないんだよな。

 

その後旦那の実家に犬を預け、義両親に挨拶をしていよいよ出発。

 

ホテル住まいが楽しみで、観光気分で暫くは楽しいねぇと、私ははしゃいでいたのだけれど、香川県を通る頃、珍しく母からLINEが入った。

メールも打てなくて、LINEなんて平仮名オンリーなのに、珍しい。忘れ物したかしら?と油断した。

 

『さびしい。まごたちにだきついたらよかった。がまんした。』

 

今言うかぁ。たまらないな。

ぼんやりした所のある天然のど天然は、タイミングがいつも絶妙なのよね。

 

急に寂しさが込み上げて来て、涙が止まらなかった。

LINEでは

『すればよかったのに(笑)』とまで書いたけど、素直にもっと別れの時に寂しがる事が出来なかったなぁと思っていたから、その後に『私も寂しい』と書き足した。

 

『さびしい』の一言に、母の思いが全て詰まっているような気がした。

 

そうね。私も寂しい。

中学生の時はあれほど感情剥き出しで貴女とやりあったのに、大人になって、寂しがる事や悲しがる事を親に見せなくなっていたな。

不登校で心配かけた分、早く自立して迷惑かけたくなかったからだけど、私は自立を履き違えていたね。

 

息子の事も娘の事も、悲しい事も悩みも見せないで、旦那の単身赴任が決まって寂しかった時も、一人で育ててるんだものと必死に強い自分のその姿を見せたくていたけど、そうじゃなかったな。

そうじゃなかった。母の見たい娘の姿はそれじゃないな。

 

すごいね。人に育てられて、人を育てると言うのは。なんかすごいわね。

 

明日は娘の入学式。

息子はホテルでお留守番。

太陽の塔がある公園が目の前だから、散歩してみようかな。だって。

 

いいね。観光気分で楽しい事をどんどん先に見つけようか。

行きたいところややりたい事をどんどん見つけようか。

 

そうして大きくなって、私もきっと母のように、いつか、離れるときに寂しい思いをするのだろう。

 

寂しかったし、今もまだお母さんの姿を思い出すと泣けるけれど、すごく楽しみよ。