日記

なんとなく

ゆるゆると

私が億劫になって動かないのは変わらないけれど、息子は娘の楽しそうな学生生活に感化されたのか、中学三年という年に焦りを感じたのか、そろそろ動かなきゃ…と言い出した。

 

私も苦手な電話をこらえて、適応指導教室に連絡する。

本当に動かなくなったと常々思う。

 

一通り説明を受けたものの、やはり基本は居場所提供で、勉強はそこまで教えてくれる訳ではなかった。

ただ、高知の時よりは勉強時間を設けていて、やりやすいかもしれない。

 

でも待てよ。

それなら別室登校も似たようなものではないか。

今の中学は、別室を常に不登校の子どもだけに開放されていて、各先生が出した課題をやる。

 

もし、別室すら行けなければ、適応指導教室しか選択は無かったけれど、軽い気持ちで息子にどちらでもあるよと聞いてみた。

 

やはり勉強に重点を置きたかったのか、少し興味があったのか、学校の別室登校を選んだ。

 

早速、児童支援の先生に話をつけ、昨日の夕方見学から始めることにした。

制服も何も準備してないから私服。

上履きもないんだ。

 

さっきまでペラペラ喋っていた図体のデカい息子は、口数が減り、自分より小さい私の後ろに隠れるように着いてくる。

 

担任と児童支援の先生に、笑顔で迎えられた。

よく来たね!会えて嬉しい!

優しい言葉に私は常に喉の奥がいっぱいだった。

 

まず教室を見た。

席に座った。

なんとも言えないな。

 

その後別室に連れて行ってもらい、世間話しをした。

行けるようなら事前に電話をするという事になった。

私はいつでも泣く態勢になっている。

こんなに弱く無かったはずなのにな。

息子はずっと大人しかった。

 

その日の晩から、あー、明日からか…!と独りごちる息子。

私は何も言わずに放置していた。

 

朝はもっと酷かった。

どうしよう…でも行かなきゃ始まらない。

怖いなぁ…。どうしよう…。

 

頭を掻く回数が増えて、かなりストレスを感じている事が分かった。

 

嫌ならいいじゃんか。

と言ったら黙った。

行くのをやめるとは言わなかった。

 

頭を掻く回数が増えている状態は、異常にも思える。この子の精神、今現段階では、少なからず病んでいるのだろうな…と。

 

分かってるよ。血だらけだった私に思われたくないだろうけどね!

 

結局、部屋にこもってしまった。

 

途端に涙が溢れた。

さぁどうしてやったらいいものか。

行かんでもいいじゃない。そのまま通信制の高校行ったらいいじゃん。

 

行こうと思っている本人にはあんまり言えないんだよなぁ。

言ってもそれだから、本人の中で色々思いがあるのだろうな。

私以上に考えてるな。記憶になくなるくらい、私はそこまで行かなくちゃと考えなかったな。

将来のやりたい物が違うからだろうなぁ。

 

一通り泣き終わったらお腹が空いた。

そうだ、まだ行ってないスーパーがあったな。

甘い物でも買いに行こう。

夕飯もタバコも買いに行かなくちゃ。

 

一連をツイートすると、優しいリプばかりがすぐ入った。

ありがとう。言葉足らずな書き方なのに、みんなここという時に返事をくれるのは、すぐに想像出来るお母さんばかりなのだろうね。

 

スーパーから帰ったら、息子はゲームをしていた。

お昼にこれ買ってきたよーと言ったら、うん、と食卓にやってきた。

甘い物もたくさん買ったんだよね。

ローソンに寄ってさ、あんたの好きなマカロンがあった。

 

もぐもぐと食べていると息子が『明日も…頑張ってみる』と言った。

そう、無理にとは言わないけど、頑張ってみるのね。

『あー、でも…いや、頑張ってみる。だけど、明日の朝もまたモヤモヤ言うかも。』だって。

そう。そうなの。

『あっ。俺なんで頑張ってみるなんて言ったかなー。いや、でも、頑張ってみる。』

 

やめて、笑っちゃうじゃない。ちょっと面白い。

 

その晩娘と三人でご飯を食べている時も『あぁ…頑張るなんて、口だけだね…』と呟いた息子に、キョトンとした娘が『なんで?口だけでもいいじゃん。思ってもない人は口にすらしないよ。悩みもしないよ?』と言った。

 

おぉ。

チューしていいか?

娘の、こう言うところかわいいな。

 

まぁ、ゆるゆると、やっていこうじゃないか。

 

私だって今、学生なら充電切れてる状態だよ。幼児のいない主婦してるから誤魔化せるところがあるだけで、貴方達のように誤魔化しを知らない子供達は、充電切れも許されないなんて、そんな事はないからね。

 

あと、今回の中学で感じたんだけど、学校全体が穏やかなのも感じた。

校則にしても先生にしても。

いい意味でゆるい。

 

学生服、準備するとか勿体無いから前の学ランボタンだけ変えちゃえば?とか、もうすぐ合服になるけど、ウチは白のポロシャツなら何でもOKですから、それまで私服とか?いいんじゃない?状態だった。

あそう、そんなものなの…。

 

息子は駆け足の中学に行って、駆け足で私も息子もいたんだなと痛感する。

それを感じて余計にお母さん億劫になったよ。

だけど、それでいいんじゃないですか?みたいな雰囲気の学校だったからすごく救われる。

 

ほんとねぇ、大人も子供も、環境は色々あるなぁって思った。