20日の試験
明日は中学のテスト。
今まで息子は高知では、適応指導教室でやっていた。
テストは受けたいと言われたので、先生がわざわざ持って来てくれて、英語のヒアリングも、英語の先生が来てくれた。
点数が良かったわけではない。
入学当時はトップ辺りを張っていたけれど、みるみる下がって、中の下辺り。
何も出来ない私からするとそれでも大したものだと思うのだけど…。
みるみる下がって行く点数を見るのは、彼の中の自己肯定感を余計下げる気がして、とても複雑だった。
何故テストは真面目に受けたがるのだろうな。
それは今でも分からない。
聞いてもない。
さて、大阪に引っ越して初のテスト日。
高知の時のように、適応指導教室では出来ない。
適応指導教室の申し込みよりも先に別室登校の見学に行き、頑張ってみる頑張ってみると言いながらテストの日が来たからだ。
別室には同じ年の三年生の女の子二人が来ているそう。彼女達の様子や、テストを受ける動きを聞き、どうする?テスト、やってみる?と先生から聞かれた時『テスト…は、やってみたいです。やりたいです』と呟くように言った息子。
そうか、やってみるのか。
はっきりとテストを、いつ、何処でやるというのが決まったのは3、4日前。
さぁ、少しでも勉強だ。
旦那は帰りが遅いので、私がそばにいる。
しかし何の役にも立たない事を痛感する。
さっぱり分からないから。
小5の終わりで学生生活をしなくなった私には、最早中学三年の数式や英単語など見たことも無い文字の羅列にしか見えない。
昔過ぎて忘れた、見たことはあるけど教えられない。
そんなレベルでは無く、見たことがないのだ。
『お母さんはこうだと思ったけど、違ったっけ?』すら出来ない。
息子が分からない所は教科書を見て、やり方は分かるけど理屈が分からんとぼやいているが、こうじゃない?などとすら分からない。
親が言うのも何だけれど、息子はそう言ったふとした外からのヒントですぐ理解する理解の早い子でもある。
それを引き出せない。
私はとてもそれが悔しかった。
その後はテンション下がって、勉強をやめてしまった。
これは環境を作ってあげられなかった私のせい。
旦那が帰って来て、すぐ勉強を見てくれた。
数学が割と好きな旦那は見る見るうちに息子と楽しそうに問題をこなしていった。
二人で3時間程あっという間に経った。
金曜日から日曜日までじっくりとやっていた。
その間私は犬と戯れたりご飯を作ったり。
なんとも無力。
さて、夜になった頃から息子がぼちぼち独り言ちりだした。
『あぁ…明日…テストはいいけど…いいんだけど…』
そうだなぁ。
今まで何度かは一人で行ったけど、課題を受け取りに行くだけ、出しに行くだけ、手紙をもらいに行くだけだったからな。
制服を着て、時間はずらしてもらったものの朝の早いうちに登校する。
初めてだからなぁ。
『俺なんでテストは受けますとか言ったんだろ。バカじゃん?』
『適室で出来たらよかったかなぁ…』
『いや、でも、ここで逃げちゃダメだ』
『いつかは動かないと行けないからな』
『逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。動け動け』
エヴァのシンジのモノマネし出した。
一通り一人で笑って『はぁ………吐きそう』
にはちょっと笑ったけど。
私も明日を思うと吐きそうだよ。
行かなくてもいいし、もうやめたら話は早いのに、何も言わないよ。
明日の朝、本当にやっぱり行けなくなっても、行けなかった事に悲しくはないな。
ただ、頑張ってる君がやっぱりダメだったと落ち込むのが悲しいな。
頑張れ頑張れ。
四日後、15歳になる息子よ、14歳最期のテストだねと言うと『え…めちゃくちゃ関係無い…』と正論言いやがって。
大丈夫。その調子。
その前に私が先に吐きそう。