日記

なんとなく

兄妹と言うのは

息子が中1の夏休み終わりから不登校になって、その1年間はなんであれほど辛かったのかなぁって思うくらい辛い時期だったな。

 

どの親もあるよねぇ、その時期。

期間は人によってまちまちだけど、死んだ方が楽じゃんって本気で思う時期。

 

その時は私も余裕無くて、旦那が、週末帰る度に元気が無かったから、どうしてあげればいいのかわからなくて辛かったと言っていた。

雰囲気悪いのに、帰りたく無いとは思わなかったんだね。どんなに遠い地に出張していても、乗り換え乗り換えで出来る限り帰って来てくれたね。ありがとうね。

 

そんな時にさて小6の娘の方は。

 

当時娘は小学5年生。

担任の先生は三人の娘さんをもつお父さんで、良くも悪くも「先生」と言う真面目だけど話の早い人。

息子が小6の時赴任してきて、息子の担任もしてもらった。

なのでうちの兄妹を知っている先生だった。

 

息子に余裕が無い時も、娘は普通に学校に行っていたのでほぼおざなりになっていた。

それでもずっと『お兄ちゃんばっかり休んでずるい!』とは言わなかったので、そこが救いだった。

 

でも、彼女も家庭内の違和感を確かに感じ取っていたのだろうなぁ。

冬のはじめ辺りからグズグズ言う日が多くなって来た。

学校に行く行かないじゃなくて、本当に日常の些細な事。

 

ある日宿題をしつこいくらいにやらなかったので叱った時とうとう言ってしまった。

『いいなぁーお兄ちゃんは学校行ってなくてずるい』

 

彼女の中では宿題がないからいいなと言う程度のニュアンスだろうね。

 

息子は、はははっと困った顔で笑うだけ。

私は何も言えなかった。

 

そのまま風呂に入り、その間に旦那帰ってきたから、子供を避けるように声だけかけて寝室に行った。

 

その二時間後位に、自室に来た娘が、私の寝室のドアを開け『おかあさーん。宿題終わった!おやすみ!』と明るい声で、電気を消した暗い部屋で寝ている私の背中に声を掛ける。

 

言わなければよかった。言わなければよかった。

私はボロボロ泣きながら『さっきの、お兄ちゃんはずるいとか言わないで!あんたまで登校拒否になったら私耐えられない!しんどい!!』と言ってしまった。

言わなければよかった。

 

娘の声はしょんぼりと『うん…ごめんなさい…』と発し、自室に行った。

娘は泣いたと思う。その夜布団で泣いたはず。

すぐ一階にいた旦那に電話して、娘のフォローを頼んだ。

 

次の日旦那から、どうしたか聞いた。

やっぱり想像通り泣いていたそうな。可哀想に。

 

その後暫くして学校の冬休み前の懇談があり、娘が最近家で様子が違ってて、実は息子が今不登校中なんですと相談した。ぐずる事もあるし、私も今までの価値観が覆されたような状態について行くので必死なんです。もし、学校で何か行事があって、娘が急に欠席!とかなったら、多分それは娘がやりたくないなぁって言ってしまった時、私が休ませてると言うことを察して頂けるとありがたいです。決して学校の行事それぞれを軽視しているわけでは無いんです。

と言ったら、先生に『うん、うん、勿論ですよ。分かってますよ。娘さん、そう言った事、自分でちゃんと相談してくれてますから、実は僕知ってますよ。息子君、どうしてるかなぁって思ってたし、お母さんしんどいだろうなぁって思ってました。お母さんから話してくれてよかった』と言われた。

 

その後『実はこの前、体調が悪くなって保健室で寝てた時があったんですが、その時、私はお母さんを泣かせてしまったと、保健医に相談していました。保健医も僕も、娘さんの気持ちも分かるし、お母さんが泣いた理由も分かるから、大丈夫。学校にいる時はしっかり娘さん見ていますから』と言われ、私は初めて先生の前で大泣きしてしまった。

 

娘が不憫でならないのと、息子の悩みと、先生の優しさと、旦那の理解と、全てを思って大泣きした。

 

それから少し落ち着いて、娘と二人になった時、きちんと謝った。

ごめんなさい。お母さん酷いことを言った。

本当に学校やだなぁって思ったら、ちゃんと言って。お兄ちゃんだけ休めて、娘ちゃんだけ行きなさい!なんて言わないから。ごめんね。

 

まぁそれが目に見えるほど娘はぱぁっと明るくなったの。

その犬のような表情の変化は、きっと素直な優しいお父さんに似たのだろうねぇ。

お父さんも分かりやすい人だから。

 

結局あれから娘は不登校になることは無かった。

休みたいとすら言えないのではないかと思ったけど、それはいらぬ心配で、しょっちゅう言ってる。

じゃー休めばいいじゃん。と私も言えるようになったけど、ダメ、今日はなわとび大会だから!なわとび好き!と言った様子で元気に登校する。

 

もちろん眠たい朝はダラダラしてるけど、鬱々とした、息子の時のような不機嫌な空気はないなぁ。

 

息子とタイプが全く違うようだけれど、素直で真面目なところはそっくりだなと思う。

 

中学、高校になったらまた分からないけど、まぁいいかなと思えるようにもなってきた。

 

可愛い私の子供達よ。